80枚の添削で実感した変化

UHBは10月12日、北海道札幌国際情報高校の英語授業を紹介しました。担当教員は、80枚の課題添削で約4時間かかっていた作業が約5分で終わる例を説明しています。

これは取材を受けた教員の作業例です。準備や最終確認に要した時間までは報じられておらず、学校全体の労働時間や生徒の学力を示す数値とも異なります。

先生が返答の仕方を設計し、生徒が練習する

取材では、教員がGeminiを使って英会話練習用のドリルを準備していました。生徒の回答にどのような指導を返すかも先に設定し、個々のペースで練習できるようにしています。

生徒からは人間相手より話しやすいという声の一方、すぐAIに頼らず先に理由を考えるという声も。速く返ってくる助言を受け取ることと、自分で理解することは同じではありません。

文科省の指針は「出力を確認し、自分で判断する」

2024年12月公表の文科省ガイドラインVer.2.0は、教員が内容の適切さを判断できる範囲で校務にAIを使うことを有用としています。教材や確認問題のたたき台作成を例に挙げる一方、出力を教員が確認・修正し、成果物に責任を持つ考え方です。

生徒の学習でも、英会話の相手や表現の改善、自分の文章を推敲する途中の利用を例示しています。AIの答えを完成品として受け取るだけでなく、書き直しながら学ぶ使い方まで含めた指針です。

課題や成績を扱う環境も、学校での利用条件

同指針は、校務では教育委員会の方針に従い、私用アカウントや許可のない私用端末を使わないことも示しています。成績情報など重要性の高い情報は、個別契約等によって適切な安全対策がある環境を除き、入力しない扱いです。

これらは学校一般への指針で、今回の高校の契約や設定を個別に評価した結果ではありません。家庭用のAIへ課題を渡す場合にも、学校の授業と同じ環境・条件とは限らない点を押さえておきたいところです。

まとめ

添削や教材準備の時間短縮は、生徒と向き合う時間を生む可能性があります。その際も、練習の目的を設計する、返答を確かめる、生徒が理解したかを見取るという教員の役割が残ります。作業が速くなったことと学習の質を分けて見ると、今回の実例の意味が分かりやすくなります。