AIブームとスマホの値段、どうつながる?

生成AIのサービスを動かすデータセンターでは、大量の高性能な半導体やメモリが必要になります。その中でもAIサーバー向けのHBM(広帯域メモリ)は需要が非常に強く、半導体メーカー各社が生産をAI向けへ振り分けています。

その結果、一般的なスマートフォンやPCで使われるDRAMなどにも需給の影響が広がっています。AIサーバーの需要が増えると、AI向けメモリの生産が優先され、一般向けメモリの供給が締まり、スマホやPCの製造コストにも影響する、という流れです。

「15〜40%上昇」はスマホの販売価格ではない

数字の意味は分けて読む必要があります。Digital Todayは、スマートフォンやPCのコストが15%上昇する可能性を報じています。一方、Counterpoint Researchは、メモリ価格が2026年第2四半期までにさらに40%上昇し、部品構成表(BOM)コストを現時点の水準から8〜15%超押し上げる可能性を示しています。

これらは同じ一つの「15〜40%」という数字ではなく、コストや部品価格についての別々の見通しです。どちらも「スマホの店頭価格が15〜40%上がる」と決まったことを意味しません。

メーカー側がコスト上昇を吸収する可能性もあれば、端末価格へ転嫁したり、メモリ容量や仕様を調整したり、低価格モデルを減らしたりする可能性もあります。そのため、現時点では「スマホが何%値上がりする」とまでは言えません。

安いスマホやPCほど影響が大きいかも?

高価格帯の製品であれば、部品価格が多少上がっても製品全体の価格の中で吸収できる余地があります。一方、価格を抑えることが重要なエントリーモデルでは、数千円単位の部品コスト上昇でも影響が大きくなります。

今後は単純な値上げだけではなく、低価格モデルそのものが減る、同じ価格でもメモリ容量が少なくなる、買い替え周期が長くなる、といった変化として現れる可能性もあります。

まとめ

AIブームによる半導体需要は、データセンターやAI企業だけの話ではありません。その影響がメモリ価格を通じて、私たちが普段買うスマートフォンやPCにも届き始めています。

今後、本体価格がどこまで上がるのかはまだ分かりません。ただ、「AIを使っていないから自分には関係ない」とは言えなくなってきています。

次にスマホやPCを買い替えるとき、価格だけでなく、メモリ容量や低価格モデルの選択肢にも注目した方がよさそうです。