導入

子どもと日常的に接する先生について、どのような安全確認が行われているのか。

保護者にとって気になるテーマです。

東京都教育委員会が、都内の公立小中高校などで働く常勤教職員約7万人を対象に、年内に性犯罪歴の有無を確認する方針を示したと報じられています。

約7万人が対象

共同通信の9月29日報道は、対象を東京都の公立学校で働く常勤の現職教職員約7万人としています。都議会の代表質問に対し教育長が示した方針で、準備が整い次第、年内に確認を行うと報じられています。

非常勤を含めたすべての学校関係者が今回の約7万人に含まれるとは限りません。独自確認の詳細は今後の都教委の案内も確認する必要があります。

まず自己申告と誓約

報道では、本人に性犯罪歴の有無を自己申告させ、今後性犯罪を行わない旨の誓約と署名も求める方針とされています。

これは本人への申告・誓約の要求です。自己申告だけで公的な犯罪歴照会が完了するわけではありません。

日本版DBSとは別の先行対応

こども家庭庁によると、こども性暴力防止法は2026年12月25日に施行されます。日本版DBSと呼ばれる犯罪事実確認では、事業者の申請を受けたこども家庭庁が法務省に照会します。東京都が先行して求める自己申告・誓約とは仕組みが異なります。

確認対象は法律で定める特定性犯罪の前科です。不同意性交等、不同意わいせつ、児童買春、盗撮や痴漢等が含まれ、成人に対する犯罪も対象になります。

対象期間は、拘禁刑の執行終了から20年が経過していないもの、拘禁刑の執行猶予判決の確定から10年が経過していないもの、罰金刑の執行終了から10年が経過していないものです。過去のすべての行為を無期限に調べる制度ではありません。

義務対象事業の現職者の確認には法施行から3年以内という期限があり、施行日に全員の公的照会が完了するわけではありません。

犯歴が確認されたら?

報道では、犯歴が判明した場合に子どもと接しない業務への配置転換等を検討する可能性が示されています。東京都の独自確認後の対応が、一律の処分として確定したという意味ではありません。

国の制度では、特定性犯罪の前科等から性暴力のおそれがあると判断した場合、子どもに接する業務に就かせないなどの防止措置を講じます。東京都の今回の対応と、施行後の法律に基づく措置は分けて考える必要があります。

「なぜ今まで?」という疑問

保護者から見れば、子どもと接する職業で公的な犯罪歴照会の仕組みがこれから本格的に始まることに驚くかもしれません。

ただし、従来も教員免許制度や採用時の確認、懲戒などの安全対策はあります。東京都は児童・生徒を守る第三者相談窓口も設けており、「今まで何の確認も対策もなかった」という話ではありません。

学校以外にも広がるテーマ

学校や認可保育所などは法律による義務対象です。一方、学習塾、スポーツクラブ、認可外保育施設などは、要件を満たした事業者が任意に国の認定を受けて取り組む仕組みです。

塾や習い事ならすべて自動的に同じ確認が行われるわけではありません。認定の有無や、実際の安全対策を確認することが大切です。

家庭が知りたいのは「何を確認しているか」

制度名だけでなく、学校・塾・習い事等がどんな採用・安全対策をしているのかを保護者が分かりやすく確認できることも重要です。

まとめ

東京都の約7万人への対応は、日本版DBSの本格運用を前に、学校現場で安全確認を具体化する動きです。

一方、自己申告・誓約と、公的機関を通じた日本版DBSの照会は同じではありません。

「制度があるから絶対安全」と考えるのではなく、採用、配置、研修、相談体制等を含む複数の安全対策が必要です。