この調査は日本全体の意見ではない

調査は2026年6月16日から7月15日に、協会の公式SNSや協力団体のネットワークを通じて募集した全国の男女403人を対象にしたWebアンケートです。回答者の構成や募集方法から、日本人全体の割合として一般化することはできません。

その上で、認知症や物忘れに備えた資産・契約管理に不安を持つ人が、調査回答者の中で多いことを示す参考データです。

口座が『自動凍結』されるわけではない

認知症になれば、すべての銀行口座が自動的に凍結される、と単純に言うことはできません。金融機関は本人の保護と取引の安全のため、状況に応じて手続きや確認を求めることがあります。

実際の扱いは金融機関、口座、手続きの内容、本人の状況で異なります。不安があれば、元気なうちに利用する金融機関の代理人制度や相談窓口を確認することが大切です。

不安はお金だけでなく、オンライン契約にも

調査では将来の資産管理に62.8%、ネット銀行・証券口座・サブスク・パスワードなどの管理に68.0%が不安を感じると答えました。

デジタルの契約は、家族から見えにくいことがあります。何を契約しているか、連絡先はどこか、毎月どの支払いがあるかを、本人が分かる形で整理しておくことが出発点になります。

パスワードやFace IDを共有しない

パスワードや生体認証を家族で共有すればよい、という考え方には注意が必要です。第三者利用、なりすまし、金融アプリやサービスの規約違反、本人の意思確認ができないことなどの問題につながる可能性があります。

必要なのは、パスワードそのものを渡すことではなく、緊急時にどのサービスを確認するか、誰に相談するか、どの正式な制度を使うかを本人の意思で決めておくことです。

今から作れる『契約一覧』

まずは金融機関、証券、保険、クレジットカード、サブスク、通信契約、不動産などを、サービス名と連絡先を中心に一覧にする方法があります。残高や暗証番号を無理に一枚へ集める必要はありません。

一覧の保管場所、更新方法、家族へどこまで伝えるかも本人の意思に基づいて決めます。重要な判断は、金融機関、行政、弁護士、司法書士など適切な相談先を確認しましょう。

日常生活を支える制度も知っておく

お金の管理だけでなく、福祉サービスの利用や日常的な金銭管理を支える仕組みもあります。本人の状況に合う支援を早めに相談することが、選択肢を残すことにつながります。

家族だけで抱え込まず、地域の社会福祉協議会や専門職へ相談する選択肢もあります。

まとめ

認知症への備えは、口座を自動的に止められることを恐れるためだけのものではありません。お金、契約、デジタル資産が増えた今、本人の意思と家族の安心を両立するための準備です。

パスワード共有に頼らず、契約一覧、緊急時の連絡方針、金融機関の正式な代理・承継の方法を、元気なうちに確認しましょう。家庭ごとの状況に合わせて、必要なら専門家へ相談することが大切です。