商品探しから購入まで、AIに任せる範囲はさまざま

人に代わってAIが商品を購入する「エージェンティックコマース」について、消費者庁の堀井長官が10月15日の記者会見で質問に答えました。会見は15時〜15時26分に行われ、要旨は16日に公表されています。

長官は、AIを誰が提供するか、どこまでの行為を代行するかなど、さまざまな形が考えられると説明しました。そのため、個別の事案を離れた一般論として、一律に法的評価を行うのは難しいとしています。

通販事業者に課される既存の義務はある

会見では、通信販売について販売業者などが守るべきルールとして、広告や最終確認画面の表示義務、誇大広告の禁止、契約解除を妨げるための不実告知の禁止などが挙げられました。AIが取引に関わることだけで、これらの既存の義務がなくなるという説明ではありません。

一方、AIによる代行がそうした義務にどう影響するか、新たに考えるべき要素があるかには、未知数の部分があるとしています。消費者庁は、事案に応じて所管する既存の法令で対応するとともに、取引の状況を把握していく考えです。

誤購入したときの責任や補償が一律に決まったわけではない

生活者にとって気になるのは、頼んだつもりのない商品をAIが注文した場合などの扱いです。ただし、この会見は具体的な誤購入事故の発表ではなく、その際の責任や補償を一律に示したものでもありません。新しい法律の施行や、特定のサービスが違法だとの認定が発表されたわけではありません。

AIに商品候補を探してもらう場合と、注文や支払いまで代行してもらう場合では、任せる範囲が違います。サービスを利用する際も、どの段階で自分が内容を確かめる仕組みなのかが、買い物の流れを理解する手掛かりになります。

海外では、AIのアクセスを制限する動きも

The Vergeは10月17日の記事で、AmazonがPerplexityのAIによるアクセスを禁じ、訴訟を起こした過去の事例などを紹介しています。これは各サイトへのアクセスをめぐる別の話題で、今回の消費者庁会見はAmazonに言及していません。Amazonの制限理由を誤購入時の責任と結び付けた説明も、この会見にはありません。

まとめ

消費者庁の説明は、通販には既存のルールがあり、AIによる購入代行への具体的な評価は、提供者や代行範囲、個別の事案によって考えるというものです。AIなら一律に購入できない、あるいは誤購入が自動的に補償される、と受け取れる発表ではありません。